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半導体工場の火災・延焼リスクと対策 SEMI規格対応の難燃ホースとは?

ホースドクター

皆さん、半導体工場における火災・延焼事故のニュースを耳にしたことはありますか。その際、「起こりうる可能性」ではなく、実際に深刻な被害をもたらす現実的なリスクであると思われた方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

実際に火災が起きると設備損傷だけではなく人命にかかわる問題はもちろん、クリーンルームの汚染や生産停止などBCPの観点からも重大なリスクが懸念されます。

このような高リスク環境で企業が対策すべき対応は何なのか。本記事では半導体工場における火災・延焼リスクをホースから対策する方法について解説いたします。

このページのポイント

  • 半導体工場では可燃性ガスや薬液、高電圧機器に加え、多数のホース配管が密集しているため、火災・爆発が発生すると延焼が拡大しやすい
  • SEMI S2・S14の考え方に基づき、UL94 V-0準拠の難燃ホースを採用することで、火災時の延焼リスクを低減できる
  • トヨックスの「フレイムブロックホース」はUL94 V-0に準拠し、難燃断熱材一体型の「フレイムブロックハイブリッドULホース」の被覆材はUL94 HF-1に準拠している。

半導体工場で火災・延焼リスクが高い理由と製造現場の特殊性

半導体工場は他の製造現場と比べ高い火災・延焼リスクがあり、実際に国内でも事故のニュースが散見されます。その理由として、半導体工場は製造装置やユーティリティ設備が多数稼動し、可燃性ガスや薬液の漏洩、高電圧機器などによる複数の火災リスクを抱えているからです。

例えばホースに関しても冷却水、薬液、ガスなどの配管に使われる多くのホースが装置内に密集しています。この配管ネットワークは、万が一火災が発生した場合に「延焼経路」となる可能性があります。一般的な樹脂製ホースに着火すると、燃焼滴下によって火が隣接する配管へ次々と延焼し、局所的な火災があっという間に工場全体の危機へと変わってしまうのです。

                  一般的なホースが延焼している様子

半導体業界の安全基準「SEMI S2・S14」と装置部材に求められる役割

ここでは、SEMI規格の概要を解説します。

半導体業界における火災安全対策の根拠となるのが、SEMI(国際半導体製造装置・材料協会)が策定する安全ガイドラインです。特に重要な2つの規格があります。

SEMI S2:装置安全性ガイドライン

SEMI S2は、半導体製造装置の安全性に関する包括的なガイドラインです。電気的リスク、機械的リスク、化学的リスク、そして火災リスクの低減を目的としています。

SEMI S14:火災リスク評価ガイドライン

SEMI S14は、装置内で使用される材料が火災時にどのような影響を与えるかを評価するガイドラインです。ホースにUL94 V-0を直接求める規定ではありませんが、難燃性材料の採用はSEMI S2・S14の考え方と親和性が高く、装置メーカーへの採用要望も増えています。

装置メーカーに求められる部材選定

SEMI S14の考え方に基づき、装置メーカーとそのサプライヤーには、難燃性を備えた部材の採用が強く求められるようになりました。特にファウンドリなどの納入先からは、「難燃性のエビデンスを持つホース」の採用を指定するケースが増えています。

つまり、現代の半導体製造装置設計では、安全基準への適合が、単なるコンプライアンスではなく、重要な選定要素の一つとなります。

火災リスク低減のエビデンスとなる「UL94 V-0」準拠の難燃ホースとは何か?

SEMI S14で求められる難燃性を客観的に証明する国際規格が、UL(Underwriters Laboratories)によるUL94です。
この規格は、樹脂材料の燃焼性を科学的に評価する世界標準となっています。V-0、V-1、V-2といった複数のランクに分類され、この中でもV-0は樹脂材料が持つ最高レベルの難燃性能を示す評価です。

ここでホースドクターから問題です。

UL94 V-0準拠ホースの特長として正しいものはどれでしょうか?

A. 着火後も長時間燃え続ける
B. 着火源を除去すると短時間で自己消火し、延焼を防ぐ
C. 必ず燃焼滴下を発生させる

正解は B.着火源を除去すると短時間で自己消火し、延焼を防ぐ です。  

UL94 V-0は高い難燃性能を示す規格で、着火源を取り除くと短時間で自己消火し、火災の拡大防止に貢献します。

UL94 V-0の具体的な性能

V-0準拠の材料は、着火源を除去すると短時間で自己消火します。さらに、燃焼時に樹脂が溶け落ちる「燃焼滴下」が生じにくく、たとえ滴下が発生しても引火性を失った状態で落下するため、下層の装置や配管への延焼を防ぎます。これは、半導体工場の配管環境において、火災の広がりを物理的に制限する極めて重要な機能です。

規格・分類名対象位置づけ・概要
SEMI S2半導体製造装置装置全体の安全性を定める規格
SEMI S14半導体製造装置火災リスクの評価・低減に関する規格
UL94 V-0樹脂材料高い難燃性を示す材料規格
UL94 HF-1発泡樹脂材料発泡材向けの高難燃性規格

難燃ホースの採用がもたらすBCP対策と5つの具体的メリット

難燃ホースの採用は、企業の事業継続を支える戦略的な投資という側面があります。UL94 V-0準拠のホースを導入することで、主に以下の5つのメリットが得られます。



・設備損傷の最小化

・クリーンルーム汚染の防止

・生産停止期間の短縮

・復旧コストの削減

・サプライチェーンの維持

これらのメリットを考えると、難燃ホース導入の目先のコストは、実質的なリスク低減と経営安定化への必要な投資といえます。

こうした課題解決の一助として開発したのが、トヨックスの「フレイムブロックホース」シリーズです。
安全性と実用性を両立させた製品として、半導体製造装置の設計現場で採用が進んでいます。

冷却水用の「フレイムブロックホース」は、難燃性の材料を使用し、ホース本体としてUL94 V-0規格に準拠しています。加えて、折れにくく、つぶれにくい保形性に優れた設計となっており、狭い装置内での複雑な配管にも対応します。

フレイムブロックホース

難燃性の材料を使用し延焼を抑制。UL規格準拠(V-0)

また、「フレイムブロックハイブリッドULホース」は、難燃断熱材一体型のホースで、被覆材の巻き付け不要なので配管作業の効率アップにも寄与します。

フレイムブロックハイブリッドULホースの被覆材には、発泡体向けの難燃グレードであるUL94 HF-1に準拠した材料を使用しています。HF-1は、HF-2やHBFよりも厳しい条件を満たす発泡材向け難燃グレードで、火を離したあとにすばやく自己消火し、燃え広がりや炎を伴う滴下物による着火を抑える基準です。断熱性や施工性に加え、被覆材そのものが延焼リスク低減に貢献する点も大きな特長です。

フレイムブロック ハイブリッド ULホース

「難燃性」「結露対策ができる冷却水ホース」

「高い保冷性・保温性で流体温度を一定に確保」

燃焼実験を通して難燃ホースの実際の効果をご覧になりたい方は下記動画よりご確認ください。

【燃焼実験】難燃ホースの実力を検証!

以上より、火災・延焼リスクへの能動的な対策は、半導体の製造工場における必須条件です。これからも持続可能な製造体制を構築していくには、こうした部材選定が欠かせない役割を果たし続けるのではないでしょうか。

今回ご紹介したトヨックスのフレイムブロックシリーズは、ホース本体の難燃性に加え、製品によっては被覆材にも難燃性を備えることで、安全性と機能性の両立により、工場の安定稼働を支える一つの選択肢として是非ご検討ください。

以上、半導体工場で火災・延焼が起きる原因と難燃ホースによる対策を解説しました。

その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。

フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら