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- 薬品によるホースの硬化は主に下記の2つ
①塩ビ樹脂ホースに含まれる液体である薬品に溶け出すこと
②薬品によって塩ビ樹脂同士の結合が壊れ可塑剤が抜け落ちること - 硬化への対策として耐薬品性に優れたホースの中から、さらに薬品の種類や使用条件を十分に確認し適切なホースを使用することが重要。

塩ビホースが柔らかい理由とは?
一般的なホースの素材には、塩ビ樹脂(ポリ塩化ビニル)が多く使用されています。塩ビ樹脂は常温では硬く、曲げることはできません。ホースに使用される塩ビ樹脂は、軟質塩ビ樹脂と呼ばれ柔軟性が特徴です。軟質塩ビ樹脂には樹脂を柔らかくする材料(可塑剤)が入っています。そのため、塩ビホースは常温でも柔らかく使用しやすい状態になっているのです。
図 塩ビと可塑剤の割合

薬品が原因で塩ビホースが硬くなる理由とは?
薬品によってホースが硬くなる仕組みは大きく分けて2 種類あります。
①可塑剤が薬品に溶け出しホースが硬くなるケース
②薬品によって塩ビ樹脂同士の結合が破壊される事により可塑剤が抜け落ちていくケース

①可塑剤が溶け出す事による硬化は、溶けにくい可塑剤が添加されているホースを選定する事により、対策ができることがあります。
一方②のようなケースの場合はどのような対策が考えられるでしょうか?
下記のA,B,Cからお選びください。
A. 可塑剤の添加量を増やす
B. 塩ビ樹脂のホースを使用する
C. ホースの材質を変更する

正解は C. ホースの材質を変更する です。
①薬品によって塩ビ樹脂の結合が破壊されて硬化するケースに関しては、ホースの材質そのものを変更しないと対策が行えない事がほとんどです。
硬くなったホースを元に戻すことはできません。トラブル防止のためにも、直ちに交換してください。しかし、短期間でホース交換を繰り返すことになると、資材費やメンテナンス費用が増えてしまいます。薬品によるホースの硬化に対してしっかりと対策をとることが必要です。
薬品によるホースの硬化を防ぐには?
ホースは様々な種類があり、使用目的に適したものを選ぶことが重要です。薬品を流す場合には、耐薬品性に優れた非塩ビ系のポリオレフィン樹脂製やフッ素樹脂製のホースを選ぶことが多く、継手も同様にステンレス製や樹脂製など耐薬品性に優れた物を選ぶケースが多いです。耐薬品性の高いホースを使用すれば、塩ビホースならば数日で硬化していたものが、長期使用でも耐えられるようになります。

※上記は目安であり、薬品の種類や使用条件によって耐性が違う場合がありますのでご使用前にはご確認ください。
耐薬品性のホースを選定する際は、薬品の種類により対応の可否があるので、メーカーの出している耐薬品性に関するデータ等をよく確認の上、選定してください。もし薬品名がない場合はメーカーへお問い合わせください。また、耐薬品性だけでなく、流す薬品の温度や圧力などの使用条件も確認し、条件に合っているかどうか見た上で選定することも忘れずにお願いします。
弊社では内管が4フッ化系フッ素樹脂を使用したトヨフッソホースシリーズなど、耐薬品性能の高いホースをご用意しております。
流す薬品によって最適なホースは異なりますので、下記ホースと継手の耐薬品表と合わせご確認ください。

フッソホースシリーズ
耐薬品性能が高いホースをお求めの方対象
■ホース耐薬品表(参考資料)はこちら
■継手耐薬品表(参考資料)はこちら
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以上、薬品による硬化の仕組みとその対策について解説してきました。
その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。
フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら
ホースに薬品を流すと、薬品の種類や濃度によっては、ホースが短期間で硬くなることがあります。硬化したホースは元には戻らず、あらゆるトラブルの原因となるので、速やかに交換することをおすすめします。
今回は薬品によってホースが硬化する仕組みや対策についてホースドクターが解説します。