このページのポイント
- 粘性や吸着性の高い流体がホース内に残留すると、ホースの詰まりなどあらゆるトラブルを引き起こす可能性がある。
- 撥水性や非粘着性に優れたフッ素樹脂製ホースを使用することで、残留物の発生を抑え、洗浄作業の効率を高めることができる。
- ホースメーカーが提供する専用継手を使うことで、継手部分の段差を減らし、残留物の発生を防ぐとともに、エネルギーロスを軽減する効果も得られる。
残留物により起こるトラブルと、残留物を低減する方法
粘性や吸着性の高い流体はホース内に残留しやすく、残留物によりホースが詰まりやすくなります。残留物が残ったままでホースを使用すると、異物混入や原料が混ざることによる品質低下を引き起こします。また、残留物に微生物が繁殖するなどして、臭いや変色のトラブルを発生させたり、流体によっては、ホース内面に貼り付いて固まって詰まり、ホースを使用不能にしてしまうこともあります。
ではここでホースドクターから皆さんに問題です。

あらゆるトラブルの原因になる残留物を減らすため最も効果的な対策は何でしょうか?
A. ホースを毎回交換する
B. 撥水性・非粘着性の高いホースを使用する
C. 流体を高圧洗浄で流す

正解は B. 撥水性・非粘着性の高いホースを使用する です。
C.の流体を高圧洗浄で流すやり方を行っている作業現場も多いようですが、洗浄して洗い流すには手間とコストがかかりエネルギーも消費します。結果、原料ごとに専用のホースを使用して付け替えたり、その都度ホースを交換、廃棄したりする現場もあります。
流体の残留を減らしホースが詰まるリスクを低減しつつ、洗浄の手間を減らす最も効果的な対策としては、撥水性や非粘着性の高い素材のホースを選択することです。撥水性と非粘着性に優れたホースは、ホース内面に流体が付着しにくいため、ホースの詰まるリスクが減少します。洗浄の際にも汚れや残留物が剥がれやすく、少ない水量や洗浄液で内部の洗浄を行うことが可能となり、洗浄時間や洗浄液の使用量が軽減されます。

ホースに使用される撥水性、非粘着性の高い素材
撥水性、非粘着性の高いホースとしては、フッ素樹脂を用いたホースが代表的です。例えば、ホース内面に4フッ化系フッ素樹脂(変性ETFE) を使用したフッ素ホースは、撥水角96°と、非常に撥水性、非粘着性に優れています。耐薬品性、耐溶剤性にも優れ、低溶出であるので、化学、薬品、純水、化粧品、食品、半導体などの搬送・輸送用ホースとして使用可能です。

フッソホースシリーズ
流体輸送効率が良く、内面に汚れがつきにくい
また、ホースメーカーの提供する専用の継手を使用することで、ホースと継手部分の段差が減少します。そのおかげで、継手部分での残留物の発生を防止することができ、結果的にホースの詰まりを防ぐことができます。これにより、残留物によるホースの詰まりや臭いなどのトラブルを防止できます。
他にも、撥水性、非粘着性の高いホースを使用することで流体の流れがスムーズになり、圧力損失を低減する効果も期待できるので、エネルギーロスを少なくできます。

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以上、ホースの残留物を防ぐ対策方法について解説してきました。
その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。
フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら
粘性や吸着性の高い流体をホースに流すと、流体が流れ切らずに内部に残ったり、ホース内面に貼り付いて詰まるトラブルが発生しやすくなります。ホース内の残留物やホースの詰まりを防ぐための対策ポイントをホースドクターが解説します。