このページのポイント
- 適切な配管を行う:無理な曲げやねじれ、サイズの合わない継手の使用を避け、ホースの長さに余裕を持たせることで、流体漏れや破裂を防ぐ。
- 使用条件に適したホースを選ぶ:使用流体、使用温度、使用圧力を考慮し、用途に合ったホースを使用することで、劣化や事故のリスクを低減できる。
- 正しい保管・管理を徹底する:直射日光を避け、使用後は流体を抜いて保管し、踏みつけや負荷を避けることでホースの寿命を延ばす。
1.ホースの適切な配管と使用方法
① 無理に曲げない
ホースには「最小曲げ半径」が設定されており、それ以上に曲げると折れや潰れが発生し、流体漏れやホース抜けの原因になります。適切な曲げ半径を確保し、無理に折り曲げることのないよう配管してください。
② サイズの合わない継手を使用しない
ホースと継手のサイズが適切でないと、無理に差し込んだ際にホースが切れたり補強糸が損傷したり、径が細いと流体漏れのリスクが高まります。必ず規格に合った継手を使用しましょう。
③引っ張ったりねじったりしない
ホースを引っ張る、ねじるなどの負荷がかかると、内部構造が変形し、破裂や流体漏れにつながる可能性があります。適度な余裕を持たせた配管を行うことが重要です。
④斜めにカットしない
ホースの端面が斜めになっていると、継手への接続が不完全になり、ホース抜けや流体漏れの原因になります。カットする際は、端面が垂直になるようにしましょう。

⑤長さに余裕を持たせる
ホースをちょうどの長さで配管すると、圧力変化による伸縮でホースが抜けたり破裂したりする可能性があります。加圧・負圧による長さ変化を考慮し、余裕をもたせた配管を行いましょう。
2.使用条件を守ることの重要性
⑥ 食品用ホース以外で食品を流さない
食品衛生法に適合していないホースを食品搬送に使用すると、品質に悪影響を及ぼし、法規制にも違反する可能性があります。必ず食品用ホースを使用してください。
⑦ 流体・使用条件に適したホースを選ぶ
耐熱性のないホースに高温の流体を流すと、樹脂が軟化して破裂や漏れが発生することがあります。また、耐圧性能の低いホースを使用すると、トラブルを引き起こす原因になります。使用する流体や温度・圧力に適したホースを選びましょう。

3.適切な保管と管理でホースの劣化を防ぐ
さてここでホースドクターから皆さんに問題です。

ホースを長持ちさせ、安全に使用するための適切な保管方法はどれでしょうか?下記のA,B,Cからお選びください。
A.直射日光を避け、流体を抜いて保管する
B.できるだけ屋外で直射日光を当てて乾燥させる
C.使用後は流体を残したまま放置する

正解は A. 直射日光を避け、流体を抜いて保管する です。
これから詳しく解説します。
⑧ホースを踏んだり潰したりしない
ホースを踏んだり重いものを載せると、圧力損失が発生し、破裂や流体漏れのリスクが高まります。補強されたホースでも同様に劣化が進むため、注意が必要です。
⑨直射日光を避ける
特に塩ビ樹脂製ホースは紫外線の影響で硬化し、ひび割れや劣化が進みます。長期間屋外に放置しないようにしましょう。
⑩流体を残したまま保管しない
長期間流体が残ったままだと、ホースの成分が溶け出したり、食品用の場合は雑菌が繁殖したりする可能性があります。使用後は中の流体を抜き、清潔な状態で保管してください。

ホースの安全性を高めるためには、適切な配管方法や使用条件を守ることが不可欠です。今回ご紹介した例は代表的なものでありごく一部です。取扱説明書に記載されている内容を改めてご確認ください。
また、ホースや継手の取り扱いに疑問やお悩みがある際には、下記会員登録をしていただくとWEB問い合わせの他、各種サービスを受けられます。
以上、安全性向上に繋がるホースの適切な取り扱いについて解説してきました。
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工場や現場で使用されるホースは、適切に取り扱わなければ流体漏れやホース抜け、ホースの破裂などの事故に繋がる可能性があります。安全性を向上させ、ホースを長く使用するためには、正しい配管方法を理解し、誤った使い方を避けることが重要です。本記事では、ホースの安全な使用方法と、やってはいけない配管例を紹介します。