このページのポイント
- 食品衛生法の適合性:食品用ホースは、人体に安全な素材を使用し、規定に基づいた衛生管理が必要
- 撥水性・洗浄性:高い撥水性や洗浄性のあるホースの使用で衛生状態を保ち、異物混入を防止
- 耐熱性と低溶出性:流体への影響を避けるため低溶出機能と、加熱された流体の搬送やスチーム洗浄が必要な場合は耐熱性も必要
普通のホースと食品・飲料用ホースは何が違うのか?
ここでホースドクターから皆さんに問題です。

食品用ホースが通常のホースと異なる特徴として最も適切なものはどれでしょうか?下記のA,B,Cからお選びください。
A. 加熱された流体が多く、食品用ホースは全て耐熱性が高い機能が必要
B. 人体への安全性や衛生面が重視され、使用可能な素材かどうか法令で厳しく定まっている
C. 衛生面の理由ではなく、生産性の向上のために撥水性の機能がある方が望ましい

B. 人体への安全性や衛生面が重視され使用可能な素材かどうか法令で厳しく定まっている
正解はBです。A.の耐熱性は流体によって必要な機能かどうかが分かれるため全てのホースで必要なわけではありません。C.の撥水性の機能も重要ですが、生産性の向上だけでなく衛生面の理由からも重要な機能です。
普通のホースと異なり、食品用ホースには以下のような機能が求められます。
(1)食品衛生法適合
(2)撥水性・洗浄性
(3)耐熱性
(4)低溶出(低臭)
食品衛生法適合
食品衛生法ではホースの場合、器具及び容器包装として法律で定められた材質であるか、または規格試験において溶出物の量が基準値以下であることが義務づけられています。
また、2018 年6 月に食品衛生法改正法案が可決されたことにともない、2021 年6 月にあらゆる食品等事業者(食品の製造・加工、調理、販売等)に対して、HACCP による衛生管理が完全施行されました。HACCP 導入・運用においては、求められる実施の基準や、衛生管理計画、重要管理点、管理基準の内容に合わせて、適切なホースと継手を選ぶことが重要です。

食品衛生法第196号適合
ホース
ポジティブリストに適合しているホースの一覧です
撥水性・洗浄性
食品・飲料の製造における原材料や製品搬送用の配管は、定期的な洗浄の他に、ライン変えで流体を変更する際などにも洗浄する必要があります。これは衛生状態を保つための殺菌や配管内の残留物を除去して異物混入を防止する目的で行われます。配管の撥水性が高ければ、洗浄が容易となり、洗浄時間を短縮できる場合もあり、洗浄剤の量も削減でき生産性の向上、および経費の節約につながります。

耐熱性
食品・飲料の製造では、ホースで加熱された原材料や製品を搬送することが多くあります。また、他業種よりも配管の洗浄を徹底して行うため、高温水やスチームを使用して洗浄する場合が多くなります。耐熱性に乏しいホースだと使用中にホースが破裂したり、徐々にホースの硬化や劣化が進み生産トラブルにつながる場合があります。高温の流体を流す場合は、耐熱性の高いホースを使用してください。
耐熱仕様ホースの例

塩ビ樹脂 フッ素+ウレタン シリコーンゴム シリコーンゴム シリコーンゴム シリコーンゴム
※耐熱仕様のホースでも素材や補強構造によって耐熱性能や耐圧性能及び流せる流体なども違います。
低溶出(低臭)
原材料や製品を搬送する場合、ホースからの溶出物質が流体に影響を及ぼす可能性があります。製品の臭いや味に影響するだけでなく、不良品になる可能性もあります。食品・飲料の製造では、ホースに使用されている素材の成分が流れ出しにくく、臭いの少ないホースが必要です。

※試験方法(トヨックス規格試験)4種類の原料素材で製造した各食品用ホ-スに「残留塩素濃度0.1ppmに調整した純粋」を封入し、ギヤオープン40℃で20時間保持する。その後ギヤオープンから試料を取り出し、味覚・臭気試験を行う。フッソ樹脂製ホースの味覚・臭気強度比の指標を「1」とし、その他素材ホースとの差の強度比を算出した。
上記項目で判断が難しい場合や個別に相談したい際は直接お問い合わせください。
弊社では用途に応じた最適なホースの選定をサポートし、安心で効率的な生産活動を実現するためのお手伝いをしています。
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以上、食品安全・衛生対策に欠かせない、食品・飲料用ホースの機能・性能を解説してきました。
その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。
フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら
ホースは使用目的、用途に応じた適切なものを選択することが大切です。食品や飲料を扱う現場では、食品・飲料用ホースを使用することが求められます。これらは普通のホースとは異なり、食品や飲料を扱うための特長があります。今回は食品安全・衛生対策に欠かせない食品・飲料用ホースについて解説します。