このページのポイント
- 着色・変色の原因①:ホースの内管に流体の色素が貼り付いたり、素材によって色素が浸透したりすることで着色が起こる。また、流体の残留や菌の発生による着色も考えられる。
- 着色・変色の原因②:高温の流体や薬品の影響でホースの材質が変質し、変色することがある。用途に合ったホース選定が重要で、製品仕様の確認が必要。
- 対策方法:徹底した洗浄と流体の滞留を避けること、撥水性や非粘着性の高いホースの使用が推奨される。
ホースの着色、変色の原因とは?
早速ですがホースドクターから皆さんに問題です。

ホースの着色や変色の原因として考えられるものは次のうちどれですか?
A. ホース内に流体が長期間残留し浸透すること
B. ホースの外部に直射日光が当たること
C. ホースが使用されていない状態で放置されること

正解は A. ホース内に流体が長期間残留すること です。
粘性の高くない流体でも、使用後にホース内の流体を流し切らなかった、洗浄が不十分であったなどの理由により、内部に長期間流体が残留することで着色する場合もあります。残留した流体に菌が発生して、カビや藻類が繁殖して着色することもあるので、流体の残留には注意が必要です。
またA以外にも着色・変色の要因は考えられます。下記で解説します。
例えば、ホースの内管に貼り付きやすい粘性の高い流体に色素が含まれていると、貼り付いた流体により着色が起こります。他にホースの素材や流体の成分によっては、ホース内部に色素が浸透して着色することもあります。

他にも、高い温度の流体や、薬品などの影響でホースの材質が変質して変色することも考えられます。一般的な用途で多く使われている塩ビ製(軟質ポリ塩化ビニル製)ホースに含まれる添加剤は、熱や油、特定の薬品に弱く、使用環境によっては溶出してホースが硬化したり、変色したりするので注意が必要です。目的や用途、使用条件に合っていないホースを使用すると、ホースの材質が変質して変色の原因となります。カタログなどで製品仕様を確認し、各用途目的に合ったホースを選択して使用してください。
ホースの着色、変色対策
ホースの着色、変色を防ぐには、徹底した洗浄を行い、流体をホース内に長時間滞留させないことはもちろん、目的、用途、使用条件に合ったホースを選定することが重要です。ホースメーカーが提供する仕様書にて商品情報をよく読んでホースを選定してください。
また、撥水性、非粘着性の高いホースを使用することで着色や変色を抑えることが可能です。例えば、ホース内面に4フッ化系フッ素樹脂( 変性ETFE ) を使用したフッ素ホースは、撥水角96°と、非常に撥水性、非粘着性に優れています。こうした機能を持つホースは耐薬品性、耐溶剤性にも優れ、低溶出であるため、化学、薬品、純水、化粧品、食品、半導体などの搬送・輸送用に適しています。洗浄がしやすい継手を選定することもおすすめです。
優れた撥水性(撥水角96℃)

非粘着性・撥水性に優れた内面(撥水角96℃)は流体が残りにくく洗浄も容易

フッソホースシリーズ
非粘着機能がある4フッ化系フッ素樹脂ホースの一覧です。
ホースの洗浄性、着色度合いを動画で比較しています。
下記動画よりご確認ください。
【汚れに強いホース】ホースの簡単洗浄性、着色度合い比較【トヨフッソホース】
弊社では用途に応じた最適なホースの選定をサポートし、安心で効率的な生産活動を実現するためのお手伝いをしています。
各サービスが受けられるWEBサイトの会員登録をご検討ください。
以上、ホースの着色の原因、対策のポイントを解説してきました。
その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。
フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら
流体をホースに流していたら、ホースの内管に流体の色が着いてしまったり、変色してしまったりしたことはありませんか?着色や変色が進むと、品質に影響を与えるだけでなくホースの破損につながることもあるので、速やかにホースを交換する必要があります。
今回は、ホースの着色が起きる原因や、対策についてホースドクターが解説します。