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ホースの「最小曲げ半径」とは?適正な曲げ半径を守り、ホースの折れ・つぶれを防ぐ方法を解説

ホースドクター

工場現場で使われるホースは、柔軟性がある一方で、無理な曲げ方をすることでホースの折れやつぶれにつながる可能性があります。

折れ・つぶれを防ぐためにも、「使用流体」「使用温度」「使用圧力」を確認しホース選定を行うことは勿論のこと、「最小曲げ半径」を意識することも非常に重要です。

本記事では、最小曲げ半径の概要や守るべき理由、そして安全で効率的なホース利用のためのポイントを解説します。

このページのポイント

  • ホースには最小曲げ半径があり、それを下回る曲げはホース折れ・つぶれ以外にも様々なトラブルを引き起こす原因になる
  • 最小曲げ半径を確認し、適切なホース選定、配管設計、定期点検を行うことで、トラブルを適切に防止できる

最小曲げ半径とは?

「最小曲げ半径」とは、弊社ではホースを曲げて使用する際に確保すべき曲げ半径の最小値を指します(※弊社独自規定であり、保証値ではありません)。

最小曲げ半径は国や業界の規格があるわけではなく各社独自で設定されています。弊社では常温環境下(23℃)でホースの外径が10%つぶれる時の円の半径を最小曲げ半径(円の中心からホースの中心まで)として設定しています。 曲げ半径の数値が小さいほど、折れやつぶれに強いホースといえます。

ホースの最小曲げ半径を無視した場合に、起こりやすいトラブルはどれでしょうか?

A. 圧力が上がりすぎてポンプに負担がかかる
B. ホースが潰れて流量が減少し、圧力損失が増大する
C. ホースの温度が上がり変色しやすくなる

正解は B. ホースが潰れて流量が減少し、圧力損失が増大する です。

最小曲げ半径を下回る使用は、ホースの変形や破損を引き起こしやすく、耐久性を大きく損ないます。

曲げ半径を守らないと何が起きるのか?

ホースが折れたりつぶれたりすると流量が確保できず、生産トラブルや思わぬ事故に繋がる場合もあります。

最小曲げ半径を無視して使用すると、以下のようなトラブルの発生が考えられます。

  • 流れの抵抗が大きくなる

    無理な曲げによってホースが潰れ、流れの抵抗が大きくなり流量の低下や圧力損失の増大が懸念されます。

  • 液だまりの発生

    折れ曲がった箇所に流体が滞留しやすくなり、異物混入や衛生リスクを高める要因になります。

  • 寿命の短縮

    折れ・つぶれのダメージを受け、ホースを想定よりも早く交換することになります。

つまり「曲げ半径」を無視することは、安全性だけでなくコスト面にも大きな悪影響を与えます。トラブルの発生や二次被害を防ぐためにも曲げ半径を意識した設計と運用が大切です。


曲げ半径を守った設計と運用の工夫

ホースを安全かつ長持ちさせるためには、以下のポイントを押さえましょう。

1.カタログ掲載の最小曲げ半径を確認

使用するホースの最小曲げ半径を必ず確認してください。サイズ(内径・長さ)や用途ごとに異なるため、商品情報をご参照ください。

2.レイアウト設計で余裕を持つ

配管ルートを考える際、曲げ部には十分な半径を確保してください。配管場所が狭い場合はホースを長く使用する方法もあります。

    3. 保形性に優れたホースを選定する

    「最小曲げ半径」は糸で補強された圧送用ホースより、金属コイルや樹脂コイルで補強された保形性の良いホースの方が小さくなり、より折れやつぶれに強くなります。機械内や設備などの狭い場所でホース配管を行う際には、保形性の良いホースを選択してください。

    4.点検・メンテナンス

      定期的にホースの折れや潰れなど異常がないかを点検し、柔軟性を失っていないか確認してください。トラブルの予兆を早期発見し対策を適切に行うことが大きな損失を避けることにつながります。

      以上からホースの折れ・曲げを避けるには、選定に必要な使用条件(流体・温度・圧力等)を確認し、保形性の良い条件に合ったホースを選ぶことをおすすめします。配管の際には、選んだホースの最小曲げ半径以下にならないようにホースを配置してください。

      弊社は保形性があり折れ・つぶれ対策に対応できるホースを各種ご用意しております。使用条件に合わせ下記商品一覧からご確認ください。

      折れ・つぶれ防止ホース

      保形性があり折れ・つぶれに強い

      また、ブレードホースの中には、糸や樹脂を組み合わせて補強した、折れやつぶれが発生しにくいものもあります。こちらも是非ご確認ください。



      【工業用】

      ハイブリッドトヨロンホース

      保形性が良く狭い箇所の配管が可能。

      【食品用】

      ハイブリッドトヨフーズホース

      トヨフーズに比べ、扱いやすく、折れ・つぶれに強い

      以上、ホースの最小曲げ半径について解説してきました。

      その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。

      フリーダイヤル:0120-52-3132

      Web 問合せは、こちら