このページのポイント
- ピンホール破裂と対策: 流体温度や紫外線による劣化が原因。流体温度に適したホースを選び、保護材を使用することで防止できる。
- 糸切れ破裂と対策: 使用圧力を超えると補強糸が切れ、破裂してしまう。使用圧力に適した耐圧ホースに変更することが必要。
- 糸抜け破裂と対策: 継手付近で補強糸が抜けることが原因。適切なホースバンドや継手を使用し、ホースと継手の接続をしっかり確認することで防止できる。
ホースのパンク(破裂)の原因と対策1 「ピンホール破裂」
まずホースドクターから皆さんに問題です。

正解は B. 流体温度や紫外線によるホースの劣化 です。
ホースは流体の種類や温度、紫外線などの影響により、軟化や硬化してひび割れてくることがあります。このようなホースをそのまま使用し続けると、軟化して弱くなった部分や、ひび割れた部分に小さな穴が開き流体が漏れ出します。最初のうちは小さくわずかに漏れる程度ですが、ピンホールのできた部分は弱く穴が広がりやすくなっているので、パンク(破裂)が起こりやすくなります。
小さな穴があいたピンホール破裂の例

[対策]
流体温度に適したホースを選定することで解決することが多いです。また近くに高温になる機械装置がある場合には装置からホースが離れるように配管したり、ホースに保護材を巻くことをおすすめします。その様な処置ができない場合は耐熱性のあるホースを選定してください。
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ホースのパンク(破裂)の原因と対策2 「糸切れ破裂」
糸切れ破裂は、ホースを補強するために編んである糸そのものが切れることにより発生するパンク(破裂)です。ホースにはそれぞれ使用圧力範囲が設定されています。この使用圧力範囲を超えることにより補強糸が耐えられず切れ、樹脂のみの弱くなった部分に圧力が逃げることにより発生します。
糸切れ破裂の例

〇箇所の糸が切れている
[対策]
使用圧力に適したホースを選定することで解決することが多いです。使用圧力を越えてホースを使用している場合は耐圧性能の高いホースに交換してください。
[高耐圧ホースはこちら]※一部流体の適用商品のみ
ホースのパンク(破裂)の原因と対策3 「糸抜け破裂」
糸抜け破裂は、ホースに編み込まれた補強用の糸が抜けて継手付近で発生することが多いパンク(破裂)です。ホースに圧力をかけると、ホースに編み込まれた補強糸はホース中央に向かって引っ張られます。継手でしっかりとホースを抑え込めていなかったり、シリコーンゴムホースのようにホースそのものが柔らかく伸びやすい材質の場合、継手付近の補強糸がどんどん中へ入っていき、最終的にはゴムや樹脂のみで弱くなった継手付近に圧力が逃げパンク(破裂)が発生します。
糸抜け破裂の例

〇箇所の糸が引っ張られ抜けている※右の赤い糸が元々は右にあった。
[対策]
ホースに合った継手を使用しているか、ホースバンドなどで継手とホースがしっかり接続されているか確認をしてください。ホースバンドでの締め付け方や取付方法のバラつきが出る場合は、ホースメーカーが自社のホースに合わせて設計した継手を使用することで糸抜けを防ぐことが出来ます。また、弊社ではトヨシリコーンホースなど柔かく伸びやすい材質でできたホースは補強糸が抜けにくい編み方・設計になっているホースもあります。
糸抜けしにくい特殊な編み方

トヨシリコーンホースの耐圧性の実験動画でもホースによる性能の違いを確認できます。
下記動画よりご覧ください。
[シリコーンゴム素材のホースはこちら]
[弊社の漏れ・抜けを防ぐホース専用継手はこちら]
以上、ホースがパンク(破裂)・ひび割れする原因や対策方法について解説してきました。
その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。
フリーダイヤル:0120-52-3132
Web 問合せは、こちら
原料を搬送しているホースが頻繁にパンクしたり、しばらく使用していたホースが 突然パンクしたりして問題になったことはありませんか? ホースがパンクすると、搬送していた流体が飛び散ったり流れ出たりして、原料やエネルギーのロスの他、事故の原因にもなります。
パンク(破裂)の原因は大きく分けて3つ存在し、その原因を取り除く対策方法がそれぞれ存在します。この記事ではホースがパンク(破裂)する原因や対策方法についてホースドクターが解説します。原因と対策を知ることで作業者の安全を確保しエネルギーロスや生産効率などのトラブルを未然に防止しましょう。