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半導体製造現場における冷却配管のトラブルとは?冷却水の「温度変化」「結露」「漏れ抜け」対策

ホースドクター

ナノレベルの加工を行う半導体製造では、わずかな温度変化が品質に直結します。そのため、半導体製造装置のほとんどは、装置内に冷却水を循環させて温度を厳密に制御し、加工精度や歩留まりを維持しています。
チラーから製造装置へ冷却水を搬送するホースは、温度管理において重要な役割をもちます。しかし、ホース部分で温度管理や結露防止が不十分だと、冷却水の温度変化や水滴の落下が発生し、品質の低下や設備停止を招く恐れがあります。使用環境・用途に合わせて適切なホースを選定することで、製造効率や安全性を高めることが可能です。
今回は、半導体製造に欠かせない冷却水配管でよく起こる、「温度変化」「結露」「漏れ抜け」トラブルとその対策方法について解説します。

このページのポイント

  • 半導体製造現場では冷却水配管のトラブルが歩留まりに直結するため、適切なホース選定が重要
  • 「温度変化」「結露」トラブルには断熱材付きのホースを使用することで温度変化を最小限に抑え、結露を防止する
  • 「漏れ抜け」トラブルには同一メーカーのホースと継手を使用することで接続部分の信頼性を高め、漏れを防ぐ

ここでホースドクターから皆さんに問題です。

冷却水配管に断熱材を取り付ける主な目的はどれでしょう?

A. 配管を保護するため
B. 冷却水搬送時の温度上昇を抑えるため
C. 配管の見た目をよくするため

正解は B.冷却水搬送時の温度上昇を抑えるため です。  

断熱材は冷却水が外部から熱を受け取る「熱取得」を防ぎ、チラーから装置までの冷却水の温度を一定に保ちます

設置する際には、継手部分にも断熱材を付けることでより高い断熱効果を得られます。

             断熱材一体型ホース                継手用断熱カバー

現場で起こりやすいトラブル

1.冷却水の温度変化によるプロセスへの影響

チラーから半導体製造装置までの間で、装置からの放熱など、雰囲気温度の影響により冷却水の温度がわずかに上昇することがあります。半導体製造では、このわずかな変化が重大な影響を及ぼすため、半導体装置メーカーの中には、チラーから装置までの温度変動範囲に対して厳格な基準を設けている場合もあります。

精密な温度制御を行うチラーを使用していても、ホース部で温度が変化してしまえば意味がありません。流体の温度を一定に保つためには、ホース部には流体の温度変化を抑える工夫が必要です。

2.結露による設備停止、クリーンルーム汚染

冷却水配管に結露が発生し、水滴が装置内部で落下すると、ショートや絶縁不良を引き起こす恐れがあります。

また、漏水検知センサが作動すれば、設備停止やメンテナンス時間の増加につながります。さらに、発生した結露が乾燥する過程でパーティクルが発生し、クリーンルームの清浄度を悪化させる可能性もあります。

3.ホース継手接続部分からの漏れ抜け

ホースと継手の組み合わせが不適切だと、材質の相性や寸法精度の違いで取り付け不良が起こり、漏れの原因になります。一般的なホースニップルとホースバンドでは、定期的な増し締めや点検が必要で、大量のホースを使用する冷却水配管では管理が大変です。

もし、流体の漏れやホースの抜けが発生すれば、冷却水の供給が不安定になり、半導体の生産効率が大きく低下します。

気づかないうちに冷却水配管から軽微な水漏れが発生する場合や、大量の水漏れが発生することで、検証確認などに長期間の復旧作業が必要になるケースも懸念されます。

選定のポイント

1.断熱材による冷却水の温度変化の違い

(断熱材ありなしの温度変化グラフ)

図のように、ホースに断熱材を付けた場合とつけなかった場合では、水温の変化に大きな差があります。弊社試験では、ホースのみの場合、搬送中に約0.63℃の温度上昇が確認されました。一方、断熱材一体型ホースでは温度上昇は約0.26℃に抑えられています。

このように、保冷・保温性能をもつ断熱材付きホースを使用することで、搬送中の冷却水の温度変化を最小限に抑え、半導体製造装置の冷却効率を高めることができます。

しかし、従来の手作業による断熱材の巻き付けには時間と労力がかかり、弊社試験では内径15㎜のホース(長さ25m)に断熱材を取り付ける作業を5人で行った場合、約2時間を要しました。トヨックスの断熱材付きホースは、断熱材がホースに被覆された状態で納品されるため、現場での巻き付け作業が不要となり、作業効率を大幅に改善できます。

2.結露防止でクリーン度を維持

原材料や製品を搬送する場合、ホースからの溶出物質が流体に影響を及ぼす可能性があります。製品の臭いや味に影響するだけでなく、不良品になる可能性もあります。食品・飲料の製造では、ホースに使用されている素材の成分が流れ出しにくく、臭いの少ないホースが必要です。

断熱材付きホースを使用すると、結露の発生を防止できます。水滴の落下によるショートや絶縁不良のリスクを低減し、乾燥過程で発生するパーティクルも防止することでクリーン度を維持することができます。また、床に結露した水が落下せず、作業者の安全確保にもつながります。

結露は空冷配管でも発生する場合があり、空冷の場合も断熱材の使用が効果的です。

3.継手の選定(流量確保・漏れ抜け防止)

ホースと継手を同じメーカーのもので統一することで、接続の信頼性が高まり、漏れ抜けのリスクを防止できます。トヨックスでは、自社のホースと継手の組み合わせを前提に設計しているため、高品質で安全性が高く、圧力損失も少なくなります。ホースが簡単に挿入でき、交換やメンテナンス時に作業手順の標準化ができるため、作業者による仕上がりのばらつきも抑えられます。

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半導体業界で使用される冷却用流体はさまざまな種類があるので、断熱材一体型ホースや専用継手が適用できる流体・使用条件については、ご使用前に必ずご確認ください。

弊社は保冷・保温と結露防止用の断熱材一体型ホースと専用継手をご用意しています。

冷却水配管におけるトラブルのリスクを低減させるだけでなく、断熱処理にかかる手間を省き作業を効率的するためにもぜひ導入をご検討ください。

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フレイムブロックハイブリッドULホースの結露比較は下記動画で確認できます。

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以上、半導体製造における冷却配管のよくあるトラブルと、その対策を解説しました。

その他お問い合わせ、ご相談はトヨックスお客様相談室までお願いいたします。

フリーダイヤル:0120-52-3132

Web 問合せは、こちら